学校日記

カウンセラーの窓(光陵だより10月号)

公開日
2012/11/06
更新日
2012/11/06

サポートセンター・カウンセラー

 こんにちは。今回は思春期の子どものこころの変化や秘密との関わりについてお話ししたいと思います。
思春期になり,それまで学校や友達のことなど,いろいろなことを話してくれていた子が,話をしなくなったり,親に隠し事をしたりすることがあります。そんな子どもの変化に戸惑っている人もいるのではないでしょうか。
しかし,それは自然な子どもの成長のプロセスなのです。思春期にさしかかると,子どもは「男性」,「女性」として,大きな体の変化を体験します。そのような体の変化は恥ずかしく親に言えない秘密となりやすいため,そこから自分は親とは別の人間だという意識が生まれ,親の思い通りにはなりたくないという気持ちを持つようになっていきます。
子どもにとって秘密を持つことは誰にも邪魔されない自由な世界を手に入れることであり,その魅力に引き付けられる一方,まだ子どもでいたいという気持ちも残っていて,急に甘えてくることもあるかもしれません。そのような矛盾する態度が思春期の子どもをわかりにくくしているところもあります。
秘密を持ち続けるということは,自分でそれを抱えていかなければならないということでもあり,それに耐えられる強さも必要となってきます。これは自分の力で対処するという責任感が育つ機会ともなります。
 親に秘密を持つようになると子どもの気持ちが見えなくなり,不安を感じることもあるかもしれません。そんな時は必死に話を聞き出そうとはせず,また逆に好きなようにさせればいいと無関心になるのでもなく,子どもの世界を尊重するという気持ちで見守ることが,子どもの成長にとっては大切なのではないかと思います。   
(スクールカウンセラー 永田美恵子)