カウンセラーの窓(光陵だより11月号)
- 公開日
- 2012/11/06
- 更新日
- 2012/11/06
サポートセンター・カウンセラー
皆さんは腹が立ったときどうしますか?
一般的に怒りを直接出すことは良くないことと考えられています。かといって怒らないようにすることは難しいでしょう。怒りというのは瞬間的にわき起こってくるものなので,人によっては気づいた時には何かやってしまっていたということもあります。
日本では怒りだけでなく感情をおおっぴらに表現することは,はしたないこととされているので,抑え込んだり我慢したりすることが多いと思います。時間がたつと静まるので効果があるように思いますが,実は怒りは心の奥に押し込められただけで何らかの形で表現しないとそのまま心の中でくすぶり続けるのです。そういう小さな怒りがたまっていって限界を超えると,キレるという形で爆発したり,頭痛・腹痛などの体調不良を起こしたり,うつ症状が出てきたりと不自然な出方をして私たちを困らせるのです。
ではそんなやっかいな怒りとどうつきあっていけばいいのでしょうか?一時的に押さえるという方法は悪いことではありません。それをどう出すかがポイントになります。たとえば体を動かしたり,紙を破ったり,カラオケで歌ったりという直接表に出す方法があります。そうやって少し落ち着いたら,どうして腹が立ったのか書き出すことによって,振り返り考えてみるといいと思います。書き出すという方法は怒りにまかせて行動してしまった場合にも役に立ちます。
そうやって怒りを観察しその正体が見えてくると少しずつ怒りに振り回されないようになってくるでしょう。怒りを悪者扱いせず,それを理解し適切に表すことが大切なのだと思います。
(スクールカウンセラー 永田美恵子)