カウンセラーの窓(9月)
- 公開日
- 2010/11/03
- 更新日
- 2010/11/03
サポートセンター・カウンセラー
夏休みもあっという間でしたね!楽しい思い出はつくれたでしょうか?
今年の夏は本当に暑いですね!そのせいか今年の夏空は特に青く,にょきにょきとした白い入道雲がますます白く見えるような気がします。皆さんは雲をボーッとながめたことはありますか?雲を見ているといろいろなものに見えてきますよね。動物だったり,人の顔だったり...。一度それに見えてしまうとそれ以外のものに見えなかったりします。ただの雲をいろんな物にみたててしまう人間の想像力って面白いですよね。
実はこの想像力を応用して,人間の心を探っていく方法として,投影法という心理検査のジャンルがあります。その中で特に有名なのはロールシャッハ・テストです。これはスイスの精神科医であるH.ロールシャッハが考案したものです。インクのシミを紙に落として偶然できた形を見て何に見えるか,どうしてそう見えるかということで,その人の物の見方や心の働き方を見ていくのです。
どうしてただのインクのシミでそういうことがわかるのでしょうか。その理由付けのひとつとして,そのような形のあいまいなものを何かに見立てようとすると,その時のその人の心の中にあるものやなじみのあるものが思い浮かびやすくなるということがいわれています。簡単に言うと,例えばお腹がすいていれば何かの食べ物に見えるかもしれないし,旅行に行きたいと思っていれば飛行機や船に見えるかもしれないということです。
皆さんにはこのような検査を受ける機会はないかもしれませんが,目に見えない人の心を知るために,心理学者や心理療法家は様々なテストを考え,作り出しています。そしてそれを悩み苦しんでいる人を理解する手だてとして活用しているのです。
(光陵中 スクールカウンセラー)