一流という生き方
- 公開日
- 2013/05/18
- 更新日
- 2013/05/18
校長室より
今週の火曜日に教育講演会に参加してきました。講演をしてくださったのは小松成美(こまつ なるみ)というノンフィクション作家です。「一流という生き方−輝ける人との出会いを通して−」という演題で、プロ野球のイチロー選手、起業家の盛田正明氏、女子サッカーのなでしこジャパン、歌舞伎の中村勘三郎氏、プロ野球の王貞治監督など各界の一流と呼ばれる人たちへの取材から得られたお話を紹介してくださいました。どの人のお話も興味深くきかせていただいたのですが、特に私が感銘を受けたのはなでしこジャパンのお話です。
2011年ワールドカップの決勝は、なでしこジャパンとアメリカでした。0勝21敗3分けと過去の戦績からはアメリカが圧倒的に有利でした。ところが前半が終わって0対0となり「もしかして・・・」と期待が高まりました。しかし、後半先制され「やっぱり」とあきらめの気持ちになります。後半終了間際、1点を返し同点となり、再び「もしかして・・・」です。しかし、再び延長の前半で1点先攻され、「やっぱり」となります。その後、延長の後半コーナーキックから再び同点に追いつき、PK戦で勝利し、優勝を決めました。普通だったら1点先制されたところであきらめ、勝負は決まるのにどうしてそんなにがんばれるのか聞いたそうです。すると試合前にみんなで東日本大震災の人が流され、家が水没するビデオを観たそうです。そして、「私たちがここに来ていていいのだろうか。ここに来るぐらいなら震災で苦しんでいる人を助けたい。」と思ったそうです。しかし、「私たちの1つ1つのプレーを見て勇気を持ってもらおう、希望を持ってもらおう。そんなプレーをしよう。」とみんなで話し合い決意したそうです。「だからどんなにリードされても私たちは決してあきらめませんでした。」と澤穂希選手は語ったそうです。「どんなに苦しい試合でも震災で苦しんでいる人ほど苦しいことはない。」「他人に喜んでもらうためにするプレーは自分のためにするプレー以上の力が出せる。」そんな気持ちでプレーでしたのでしょう。一流と言われる人たちの心に触れると背中がぞくぞくします。
平成25年5月18日全校集会にて
水無瀬中学校長 浅井 大司