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この夏は節電で大変でしたが…

公開日
2011/10/07
更新日
2011/10/07

ニュース

 原発停止等の問題があり、この夏は「節電」がキーワードでした。学校でも職員室のエアコンを極力使わない様に心がけました(余程の事が無い限り、午後2時30分までは使用していませんでした)。

 今朝の中日新聞「市民版(名古屋市)」に目を通すと、名古屋市の小中学校への、エアコン設置に関する記事が載っていました。

 読みながら、そして読んだ後、色々な疑問が浮かんできました。

 見出しには「保護者からの要望で」とありましたが、その保護者と言うのは、陳情に赴いた一部の保護者を指すのでしょうか、それとも、名古屋市内の小中学生の親御さん全員にアンケートでも取ったのでしょうか。

 子どもたちが「みんな」という言葉をよく使いますが、その「みんな」というのは、ほとんどの場合、自分が仲の良い数人を指していますので…。

 名古屋市では既に、騒音や空気汚染などの公害対策で、幾つかの学校にエアコンが設置されていますが、これは適切な事情があるから当然と言えるかも知れません。

 今回はいわゆる都市熱(都会ならでの暑さ)対策が理由の様ですが、であれば、対象は市の中心部だけになるのでしょうか。名古屋市も広いので、周りに緑が一杯という場所もたくさんあります。

 ところで、もう来年度以降は、電力供給に不安は無いのでしょうか。本当に脱原発を進めるとなると、今後数十年は節電が必要になるのでは…。

 エアコン設置の前に、校舎の屋上にソーラーパネルを設置したり、蓄電池を備えたりする必要は無いのでしょうか。

 設置されるエアコンは「全館冷房」型の大がかりなものなのでしょうか。それとも、各学級へ個別に設置されるものなのでしょうか。

 エアコンのスイッチは集中管理になるのでしょうか。それとも、各教室にコントローラーが付くのでしょうか。

 「各教室に付く」ということになると、スイッチの「入「切」は、例えば室温計などを参考に、担任や教科担任が判断するのでしょうか。それとも、「只今、外気温が30度を超えました、各教室のエアコンを付けてください」という放送でも流れるのでしょうか?

 きっと、勝手にスイッチを入れて叱られる子が出てくるでしょうね。

 また、体感温度には個人差がありますので、「冷え過ぎ」と感じる児童・生徒がいれば、「暑いからもっと下げて」と言いだす子たちも…。

 エアコンのメインテナンスは誰が行うのでしょうか。2〜3年使えばカビも発生しますが、それが及ぼす健康被害は心配ないのでしょうか。それとも、自動洗浄機能が付いて、カビや埃の心配無い高級なエアコンが設置されるのでしょうか。

 エアコンや室外機など、冷房機器本体も高価ですが、配線工事などにも多額の費用がかかるでしょうね。名古屋市長さんが減税を進める中、そういったお金はどこから出てくるのでしょうか。

 室外機から出る温風は更に都市熱を上げるのではないでしょうか。

 地球温暖化防止に反する様なことを進めていては、学校での「環境教育」は、正しく「絵に描いた餅」の様なものになりますね。

 学校で生活するのは、子どもたちと教職員です。施設等を整備する際には、先ず、現場の声を聞くべきですね。また、現場の様子を正確に知るべきですね。

 子どもたちの中には、長放課や昼放課になると、真夏でも運動場に飛び出し、汗びっしょりになって教室へ戻って来る子がたくさんいます。そんな子どもたちがエアコンの冷風に当たったら、確実に体調を崩すはずです。

 「学校でもエアコン、家でもエアコン」等という生活を送ったら、益々(?)耐性が無くなるのではないでしょうか。

 全くの極論ですが、学校にエアコンが付いたら、夏休みが要らなくなるかも知れませんね。

 朝から色々な疑問が浮かんで、学校到着がいつもより10分程遅くなってしまいました。