話の聴ける大人になりたい
- 公開日
- 2012/02/09
- 更新日
- 2012/02/09
PTAだより
2月9日(木)の午前10時より、「親業訓練協会」のインストラクター:太田智恵子さんを講師にお招きして「PTA文化講演会」が開催されました。私も一個人、ひとりの父親として参加させていただきましたので、その様子をレポートしたいと思います。
講師の太田さんは6人のお子さんを育てられたベテランママだけでなく、本校児童の保護者でもあり、豊富な経験をもとに、およそ2時間にわたって人間味あふれる熱いトークをしてくださいました。
「親業(おやぎょう)」って、ときどき耳にする言葉ですね。
「人は親になると、自分が育てられたように子どもを育てる・・」と言われます。多くの親は「親の役割」をはたすために、自分の親から伝えられた経験やさまざまな情報・知識をよりどころにして、つねに揺れ動きながら試行錯誤を繰り返して子育てをしているのではないでしょうか。時として決断にせまられたりする場面があると、やはり自分がしつけられたときの記憶や価値観をたよりに判断したりすることもありますね。
「親業訓練」は、アメリカの臨床心理学者トマス・ゴードン博士が開発したコミュニケーションプログラムのことです。英語の「Parent Effectiveness Training(親としての役割を効果的に果たすための訓練)」を和訳した言葉になります。カウンセリング、学習・発達心理学、教育学など、いわゆる行動科学の研究成果を基礎にしています。
ゴードン博士は、親としての役割、つまり<親業>を果たすことは、「一人の人間を生み、養い、社会的に一人前になるまで育てる」仕事にたずさわることであると述べています。
本日の講演会では、「子どもが学校でケンカをして帰ってきた場面」を想定して、親としてどのような言葉で子どもに対応するかを、ロールプレイやディスカッションを通して考えました。
子どものつぶやきに対して、ついつい親が投げかけがちな言葉を「子ども役」と「親役」にわかれて演技をしてみて、その時にわき起こる気持ちを考えてみました。参加者は、やってはいけない「子どもが心を閉ざす対応」の12パターンを知ることもできました。
太田さんの講演でつよく印象に残ったのは、子どもの話を聞く時に子どもの気持ちに寄りそって、じょうずに聴いてあげるスキルを磨くことの大切さでした。
また、親業訓練をする中で、親も子も自由なありのままの気持ちで、愛情に満ちた対話が実現する中で、心の通い合う親子関係が生まれ、一人の人間として人の話に耳を傾ける力ばかりか、自分の言葉で語る力も身につくことがわかりました。
私自身、「親業訓練」をすることは実は、子どもに親が育てられることなのかもしれない・・と感じることのできた講演会でした。