今日の一冊(ぼくの じしん えにっき)
- 公開日
- 2011/11/07
- 更新日
- 2011/11/07
図書ボランティアより
本日、紹介する本は「ぼくの じしん えにっき」(八起 正道 作)です。主人公「ぼく」の日記は7月22日でつぎのような文で始まります。
おばあちゃんとママは、いろいろなことで、よくけんかをする。
きょうも、おばあちゃんが夜中におふろのそうじをしたので、けんかになった。
「まだはいれるのに、なぜ水をとりかえるの?」とママがきくと、
「あんたらのぜいたくにくらべたら、やすいもんじゃ」といった。
ぼくは、ママもおばあちゃんも、だいすきだから、けんかをみると、とてもかなしい。
この三日後、大きな地震が「ぼく」のまちを襲います。そして、家族をはじめ町の人々の震災発生後のようすが克明に描かれていきます。地震による二次災害でだいすきなおばあちゃんやネコの大五郎、そして友だちは死んでしまいます。
印象深いのは、ラストで「ぼく」が六〇年後に起こる大地震をふせぐ決意表明をする場面であります。ぜひ、子どもたちに読んできかせたい一冊です。
ちなみにこの本が発行されたのは1989年10月。阪神淡路大震災が起こる6年も前のことでした。まるであの災害を予見したかのような内容にちょっとぞっとします・・・