学校日記

カウンセラーの窓(光陵だより1月号より)

公開日
2012/01/11
更新日
2012/01/11

サポートセンター・カウンセラー

 あけましておめでとうございます。皆さんはどんなお正月を過ごされたでしょうか?
 お正月といえば昔は本家に親戚一同が集まるなど,にぎやかに新年を祝うというのが普通に見られましたが,最近では家族のみや個人で過ごす人たちが増えているのではないでしょうか?
テクノロジーの発達により一人で楽しむための道具や場所が増えたせいか,特に若い人の中で誰かと過ごすよりむしろ一人でいるのを好む人たちが目につくように思います。
そういう傾向が極端になってしまうと『引きこもり』といわれる状態になります。引きこもりは失敗・挫折の体験や,人から低く評価されたと本人が感じたりしたことがきっかけになることが多いようです。そのような出来事で自信をなくしてしまい,また同じ目にあうのではないかと思うと外の世界に出て行くのが怖くなり,傷ついた自分を守り修復するため「すごい自分」でいられる世界に閉じこもってしまうのです。
この引きこもりが不登校と関連している場合が多いということは,皆さんも想像がつくのではないかと思います。要は傷つくのが怖くて外の世界に出て行けないということなのです。そういう場合,周りはつい根性がない,甘えていると見てしまいますが,元々ベースとなる心の強さが育ってきていないので,いきなり外の世界に連れ出しても傷つきの再演となりがちです。もちろんいずれは外の世界に出て行かなければならないのですが,その前に本人の世界を尊重し自信が育ってくるのを待つことが大切なのです。
引きこもりは幼いころからの人とのかかわりの少なさから生まれるのではないかと思われます。やはり人間はかかわりの中でさまざまな体験をし成長することが大切だといえるのではないでしょうか。