学校日記

カウンセラーの窓(7月)

公開日
2010/11/03
更新日
2010/11/03

サポートセンター・カウンセラー

 こんにちは!この文章を書いている今,ワールドカップでの日本の決勝トーナメント進出にわいていますが,皆さんがこの欄を読む頃にはどうなっているでしょうか?
 今回は心理療法の一種である箱庭療法についてお話ししたいと思います(※心理療法とは心の問題に取り組むための療法でカウンセリングもその一つですが,その他にも遊戯療法,行動療法などいろいろな種類があります)。もともとヨーロッパで発展したもので,日本には臨床心理学者である河合隼雄が紹介しました。
 箱庭療法とは相談者が砂の入った四角い箱のなかに人形や動物,家などのミニチュアを置き,そこに小さな世界を作り上げることにより自分の心の問題と向き合い,心の安定や成長を目指すものです。イメージとしては子どもの砂場遊びの延長というのが近いかもしれません。心の中のことを言葉にするのは結構大変なことで,苦しくてつらいのにそれが言葉にできない人や,成長過程でまだ自分の気持ちを上手く伝えられない子どもなどがその対象となります。そのような人達も箱庭を作ることで自己表現ができます。カウンセラーはその世界を尊重し,ほとんど話しかけることなく,その人の変化を見守り続けるのです。
 箱庭だけではなく,何かを作り上げること(絵を描いたり,スポーツをしたりすること等)は自己表現であり,それだけで心が満たされることがあります。そうやって作り上げた作品は自分の分身といえるかもしれませんね。またそれをみんなに見てもらい,認めてもらうことで,自分に自信を持てたり,元気になれたりするものです。皆さんも機会を見つけてそういう活動にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
(光陵中 スクールカウンセラー)