社会科のつぶやき『10億人を救った日本人』
- 公開日
- 2020/04/20
- 更新日
- 2020/04/20
校内風景
本校は、本日と明日の2日間、家庭訪問を行っていますが、地域の方の温かい言葉をいただき、とてもうれしくなりました。マンションの入口である女性は、我々が教員とわかると『ぜひ、学校で活用してください』と、消毒用のスプレーを手渡してくださいました。また、ある男性は、せまい道の脇に駐車していると、『ここのスペースは私が借りているので、停めてくださって結構ですよ』と声をかけてくださいました。大変な時期であるにもかかわらず、こうした気遣いに触れ、心が温かくなりました。
さて前回は、災害の歴史を紹介しました。今日は、『世界に感動をあたえた日本人・下(評論社)』より、10億人以上の人々を失明の危機から救った日本人の話を紹介します。
今から50年ほど前、微生物の研究に没頭した日本人がいました。その名は大村智(おおむらさとし)さん。土の中の微生物が持つ働きに魅せられ、研究に没頭した日本人です。大村さんは、ゴルフ場で採取した土の中にいる微生物が、家畜の寄生虫を殺す働きをもつ化学物質を作っていることを発見。この化学物質が、アフリカを中心に流行し、かかると失明する寄生虫の病「オンコセルカ症」の予防にも応用できることを発見し、ワクチンを開発しました。これらの功績が認められ、大村さんは2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞します。
日本には、明治時代以降、西洋医学が発達し、感染症の研究も進みました。現行の紙幣にもなっている野口英世や、次の紙幣で肖像画が描かれる北里柴三郎も、医学の分野で大きな功績を残した日本人です。今流行している感染症も、いつか誰かの手によって、ワクチンが開発され、多くの人の命を救う日がくるのかもしれません。今、この瞬間だって、そのために研究を続けている人もたくさんいることと思います。
想いは一つです。この感染症によって命を落とす人がゼロになる日が早く来ますように。
そのために、今、できることから始めていきましょう。