社会科のつぶやき『感染症はいつから広がった?』
- 公開日
- 2020/04/13
- 更新日
- 2020/04/13
校内風景
最前線で奮闘される医療関係者の尽力に敬意を表します。我々教員は、医療の力で人々を救うことはできませんが、感染症拡大のために何かできることはあるはずです。ここでは、感染症にまつわる日本の歴史を紹介し、感染症との向き合い方を考えるきっかけになればと思います。
学校の図書館には、1万を超える本があります。何か関係ありそうな本があるかなぁ…と探していると、ありました。タイトルは『知らされなかった恐ろしい出来事!(岩崎書店)』読むのにちょっとためらってしまいそうですが、この本によると、日本で最初の感染症は「天然痘」とよばれた病気とされています。6世紀といえば、仏教伝来の時代です。朝鮮半島から伝わったとされるこの病気は、民衆だけではなく、権力者の間にも次々と広がっていきました。現代のように、病の原因や対策方法を知る由もなかった当時の人々は、命を奪う病をさぞかし恐ろしく感じたことでしょう。
それでは、当時の人々はどのようにこの危機を乗り越えようとしたのでしょうか。
8世紀の流行期とちょうど同じころ、自然災害も多発します。人々の不安が増大する中で国家の安寧を願って動いたのが、聖武天皇でした。奈良に大仏を建立し、全国各地に国分寺と国分尼寺を造るよう命じ、仏教の力に救いを求めたのです。
現代では、医療技術や情報通信が発達し、病の正体や対処法を瞬時に知ることができます。これは、長い歴史から見たら、文明の発達のおかげではないでしょうか。だからこそ、今やれるべき最善の方法を、皆がやることで、少しでも収束させられるはずです。一人一人の行動が世界を変えていきます。まずは「手洗い・うがい・接触回避」を徹底していきましょう。
明日は、江戸時代に流行した感染症について紹介したいと思います。