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『しつけの三原則』

公開日
2011/08/24
更新日
2011/08/24

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「人間の一生(読み人知らず)」

 職業に上下もなければ貴賤(きせん)もない。世のため人のために役立つことなら、何をしようと自由である。

 しかし、どうせやるなら覚悟を決めて十年やる。すると二十からでも三十までには一仕事できるものである。

 それから十年本気でやる。すると四十までに頭をあげるものだが、それでいい気にならずにまた十年頑張る。すると、五十までには群を抜く。

 しかし五十の声をきいた時には、大抵のものが息を抜くが、それがいけない。

 「これからが仕上げだ」と、新しい気持ちでまた十年頑張る。すると六十ともなれば、もう相当に実を結ぶだろう。

 だが、月並みの人間はこの辺で楽隠居がしたくなるが、それから十年頑張る。すると、七十の祝いは盛んにやってもらえるだろう。

 しかし、それからまた、十年頑張る。するとこのコースが一生で一番面白い。

 半田市出身の著名な教育者に、森信三(もりしんぞう 故人)さんという方がお見えになります。上記は、森先生が生涯にわたって推奨続けた内容です。

 森先生と言いますと、先ず『しつけの三原則』を思い浮かべます。

(一) 朝のあいさつをする子に

(二) 「ハイ」とはっきり返事のできる子に

(三) 席を立ったら必ずイスを入れ、ハキモノを脱いだら必ずそろえる子に

 また、同時に『学校・職場の再建三原則』も…。

(一)時を守り(=時間を守ること)

(二)場を浄め(=掃除をすること)

(三)礼を正す(=挨拶・返事をすること)

 さらに、『立腰教育』を進めました。

 つねに腰骨をシャンと立てること これ人間の根性の入る極秘伝なり。

 人間は心身相即的存在ゆえ、性根を確かなものにしようと思えば、まず躰から押さえてかからねばならぬ。

 それゆえ二六時中(=四六時中)、「腰骨を立てる」以外に、真に主体的な人間になるキメ手はない。

 「腰骨を立てる」ことは、エネルギーの不尽の源泉を貯えることである。

 この一事をわが子にしつけ得たら、親としてわが子への最大の贈り物といってよい。

(一)腰骨を立て
 
(二)アゴを引き
 
(三)つねに下腹の力を抜かぬこと

 同時にこの第三が守れたら、ある意味では達人の境といえよう。

 最後の『立腰教育』はともかくとして、『しつけの三原則』は各ご家庭でも実践できそうですね。もちろん学校でも同時に…。

 また、『しつけの三原則』と重なる部分もありますが、『学校・職場の再建三原則』は、学校での児童・生徒指導の核となる内容です。

 教職員が率先して範を示し、子どもたちにもきちんと守らせていきたいと考えます。この3つのことがきちんとできれば、学習活動にもしっかり取り組めるようになり、学力も体力も伸びていくものと確信します。