学校日記

朝の読み語り(10月12日)

公開日
2012/10/12
更新日
2012/10/12

図書ボランティアより

 今日は、図書ボランティアの上野さん、安藤さんが来校されて「朝の読み語り」をしてくださいました。
 2年2組(担任:杉山教諭)で行われた安藤さんの読み語りを紹介させていただきます。安藤さんがセレクトされたのは「おこだでませんように」(くすのき しげのり:作)。以前に読書感想文コンクールの課題図書にもなった絵本です。関西弁の語りも親近感がわいてきます。

 ぼくはいつもおこられる。いえでもがっこうでも…。
きのうもおこられたし、きょうもおこられている。きっとあしたもおこられるやろ…。
ぼくはどないしたらおこられへんのやろ。ぼくはどないしたらほめてもらえるのやろ。
ぼくは…「わるいこ」なんやろか…。

 
 友だちとケンカになって、暴力をふるってしまって叱られた時に男の子は・・
“「なかまにいれてやらへん」といわれたのは、ぼくのこころが もらった パンチやで”という文章が心にグサリときました。
 主人公の男の子が楽しいと思ってしたことや、いいと思ってしたことも、やりすぎてしまったり、その場にそぐわなかったり、あるいは大人の都合に合わないからと、結果として怒られることになってしまうのかもしれません。子どもたちは読み語りを聞きながら、妹とケンカして自分だけが悪いわけではないのに、いつもお母さんに怒られる男の子と自分を重ね合わせ、その気持ちに共感していきます。
 七夕をむかえ、男の子は小学校に入学してから教わったひらがなで、願い事を書きました。
 「おこだでませんように」
  ひらがなひとつずつ、こころをこめて…
 この後のストーリーの中で登場する大人たちの対応がとても素晴らしいです。

「子ども心」に良かれ・・としてやったこと、ちょっとした食い違い、「その場」だけ見て、ついつい怒ってしまうけれど、その裏には様々な事柄が隠されてることもあるものです。 子どもの「一部」だけを見て怒ってしまう大人への警鐘であり、私たち大人こそが、とらわれのない素直なまなざしをもち、子どもたちの心の中にある祈りのような思いに気づくよう努めたいと感じさせてくれる「大人のための課題図書」かもしれません。