6/19 今井鎌三郎先生
- 公開日
- 2017/06/19
- 更新日
- 2017/06/19
校長先生より
この学校の名前を知っていますか。「下小」ではありませんね。そう、「下品野小学校」です。もう少し正確にいうと「瀬戸市立下品野小学校」です。「瀬戸市立下品野小学校」という名前がついたのは昭和34年の4月です。校長先生はまだ生まれていませんでした。その前は「品野町立下品野小学校」です。下品野小学校という名前は残っています。下品野小学校と名前が残っているのはと、ずっと昔にさかのぼると、何と明治24年です。今年で127年目を迎えます。第1代目の校長先生は、「今井鎌三郎」先生でした。校長先生は27代目になります。
今井鎌三郎先生は、たいへん教育熱心な人でした。当時、学校へ行かなければならない人が下品野小学校区に299名いました。しかし、学校へ行っていたのは71名しかいませんでした。卒業したのはたった6名でした。学校へ行っていない人たちは、決して遊んでいたわけではありません。弟や妹の子守や、家の仕事を手伝っていました。ちゃんと働いていたのです。
しかし、今井鎌三郎先生は、一軒、一軒家庭訪問し、「お宅のお子さんを学校へ来させてください」「これからは勉強が大切です」と訴えて回りました。また、村の集会でもことあるごとに教育の大切さを話しました。当時の人たちは、学校へ行かせなくても農業や陶器を作っていた方が儲かるのでなかなか学校へ行かせようとはしませんでした。しかし、今井鎌三郎先生があまりに熱心に訴えるので少しずつ学校へ行かせる家庭が増えてきました。今では学校へ行くことは当たり前かもしれませんが、127年前は考えられないことだったのです。みんなが学校へ行くことができるようにした最初の人が今井鎌三郎先生なのです。この写真はしばらく校長室の前に掲げておきます。また、今井鎌三郎先生の胸像は運動場のどこかにあります。外で遊んでいるときに見つけてください。
平成29年6月19日
瀬戸市立下品野小学校長
浅井 大司