給食体験会の阿出川先生のお話
- 公開日
- 2012/10/19
- 更新日
- 2012/10/19
PTAの活動より
瀬戸市給食センター学校栄養職員の阿出川純子先生のお話を紹介します。
私は、「子どもの成長に関わる仕事ができる」と希望と期待を持って学校栄養職員になった。しかし、当時、若い栄養士のいうことは年上の調理員さんは、耳を傾けてくれなかった。「今までこれでやってきた。」という自負心があったのだろう。例えば、揚げ物をしても色と味を見てOKで、温度計による衛生管理という概念は薄かった。「○度以上で○秒以上加熱」といっても実践してもらえなかった。そんな折、平成8年にO−157による食中毒が発生し、衛生管理の大切さが見直された。私の主張が認められ、自信を持つようにもなった。
牛乳を全く飲めない子がいた。ヤクルトを牛乳に1滴浮かべ「魔法の飲み物だよ。とってもおいしいよ」とすすめたら一口飲んでくれた。次の日は二口飲んでくれた。ある日、その子が空の牛乳びんを持って「阿出川先生、飲めたよ!」と職員室へ駆け込んできた。私はうれしくて、全校放送で喜びを伝えた。
給食の時間、先生は休憩時間ではない。子どもの相手をしながら、子どもの様子を見ながらコミュニケーションをとる時間である。一般の社会人は昼食はプライベートな時間であるが、先生はそうではないということに気付いた。同じ部屋で食べる、同じ時間に食べる、同じ物を食べる・・・・これは、子どもにとって安心感がある。
そして、「子どもの生活、言葉、食べること、全部ひっくるめて成長を見ていくのが学校給食である。」と締められました。
夏休みや冬休みは3食作らなければならないから大変だ、給食があるとお弁当を作らなくても済む、手間が省けてありがたい、そんな思いだけでしたが、今日の阿出川先生の話を聞いて感動しました。栄養源としての食事だけはなく、子どもの成長を願っている姿を親として忘れかけていたような気がしす。 (給食体験会参加保護者より)