学校日記

安心して発言する

公開日
2012/09/21
更新日
2012/09/21

学びの創造

 学習指導要領では,生きる力をはぐくむことを目指し,課題解決のための思考力,判断力,表現力をはぐくむとともに,主体的に学習に取り組む態度を養うためには,言語活動を充実することが大切であるとしています。具体的に何をすればよいのかはイメージしにくいかもしれません。ただ,『言語活動の充実』は,少なくとも,各授業で,話し合いの場面をたくさん作りなさいという安易な話ではないことは間違いありません。本校では,「言語活動の充実」の前提として,「生徒が,安心して意欲的に発言し,かかわり合える環境をつくること」を重視してきました。今日は,その,「生徒が安心して」の部分について書いてみます。
 教室では,「なるほど。」「ありがとう。」を教員のキーワードにすることで,子どもたちが話し出すことがあります。それだけ?と思われるかもしれません。もちろんそれだけではありません。大切な言葉として教員が意識するということです。教室では,教員が「間違っている!」と声高に言わなくても,生徒の間違いは生徒同士の話し合いで必ず訂正されていきます。それよりも,私たち教員の役割は,「なるほど。」と生徒の思考を認めること。「君はそんな風に考えたのか。私には,君の言わんとしていることがしっかり伝わったよ。」という姿勢を見せることこそが大切なのだと私たちは考えたのです。
 教室で,みんなの前で,できればかっこよく,なおかつ正解を,話そうとする生徒には大きなプレッシャーが覆いかぶさります。その勇気を,「なるほど。」と理解し,「君の勇気のおかげでクラスメートが理解を深めることができたよ。ありがとう。」と声をかけることで,生徒は安心するとともに,「言って良かった。」とちょっとした満足を得るわけです。その積み重ねが,生徒が安心して話す授業環境の実現につながるのです。